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stasiの日々


2006-12-03-Sunday [長年日記]

_ [趣味][日常]新国の「フィデリオ」

実は新国でオペラ観たのは今回が初めて。予想以上に音響がよく、ホワイエのスペースも割とたっぷりあるホールで、また行きたいと思える所だったから嬉しい。

この舞台は演出が素晴らしかった。オペラってよく音楽を邪魔する程ごてごてな舞台もあるが、今回は決して派手な装置はないのに全てがしっかり計算されていて、すっきりして分かりやすく、音楽(の内容)との進行ともぴったりで、全く飽きさせないものだった。字幕の日本語もとても分かりやすかった。また合唱団の動きが軽やかで粒が揃っていて、すがすがしくて良かったのも印象的。座付き(とは言わないか、「箱」付きか)だから鍛えられているのか?!キャストもよく揃っていたが、中でもレオノーレ役のエヴァ・ヨハンソンの声は良かった。そんな訳で舞台上はビジュアルも音も素晴らしかったが、そこに流れる音楽が無難に進んでいるというか、身震いするようなゾクゾク感は味わえなくて、もう少しいやらしさとか色があっても良かったのに、というのが唯一残念なところ。ベートーベンがそういう音楽なのか、日本のオケの限界なのか、今回の音楽監督がそういう趣向なのかは、まだ私には分からないけれど。これを契機に、もう少しベートーベンの色々な曲を聞いてみたいと思う。