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stasiの日々


2005-01-28-Friday [長年日記]

_ [日常] 通訳は難しい

朝9時半、T研究所へ。韓国SK大学関係者達をご案内するのに、誰も韓国語できる人がいないということで、急遽私が通訳まがいをすることになったため。ずいぶん長いこと韓国語を話していないために、口が全然まわらない。特に物事の説明は訳せても、内容が身近な日常のこととなると単語が全然思い出せなくて困った。

T研究所書庫内を案内。ほぼ日「声に出して読めない日本語」じゃないけれど、普段目でしか接していない固有名詞や漢字熟語を耳で聞いても、すぐに頭の中で漢字に変換されないために、韓国語への通訳はしどろもどろ。次にT大内S研究所へ行くが、全く聞いたことのない固有名詞がじゃんじゃん出てきた。また近代以降のマスコミ関連となると、日本語で聞けば別に難しくなくても、韓国語では普段あまりにも接しない単語だらけで、もうほんとに参ってしまった。

その後、S会館で昼食。同席した先生方と緊張しながら話をして、ちょっとずつ韓国語会話に慣れる。やれやれ。

午後はまずW大図書館へ。書庫に入れてもらったが、分野ごとに規則性なく並んでいて探しにくかった。その後、名前は忘れたが永田町辺りの研究機関訪問。

夕食まで時間が微妙に余ったので、皆で靖国神社へ。実はちゃんと行ったのは初めて。もちろん遊就館も見学。

浅草の金泉へ。コの字型にお膳の並ぶお座敷へ通されて、それだけでも緊張。もともと通訳担当だったPさんが道に迷って遅刻したため、私が通訳係ということで上座近くに座らされた。ここで大ピンチ。偉い方が最初に挨拶というかスピーチをしたのだが、その通訳まですることになったのだ。難しい話や故事成語は無かったので不幸中の幸いだったが、あれは聞いてる方がハラハラして疲れたと思う。通訳ってそんなものだ、決して難しい話じゃないし、第三者として聞いてると、なんでそんな簡単なことも訳せないのかと思うものだ。しかしいざ自分で通訳しようとするとうまくいかない。

まず単語単位でスピーチを書き取り、内容を伝え終わっても、その文章をどう締めくくれば良いのかが話している内にわからなくなってしまうのだ。また通訳はただ両方の言葉ができるだけでは使い物にならない。相手の話から要点と細かい情報をすばやく頭の中でまとめ、それをもう一方の言葉に余すところなく言い換えなきゃいけない。要点だけは伝えられても、小さな情報まで伝えるのは至難の技で記憶力を要する。それから短い言葉の中に多くの文脈が含まれている場合、そのまま訳しては通じないかもしれない、とすれば少し噛み砕いて解説を加える必要まで出てくる。

通訳するには言葉に長けてるのは当然だが、それを使いこなす訓練が必要で、どんな話題にも対応できる柔軟性と好奇心を日頃から持ち合わせてなければ、難しいものだとしみじみ実感した。喉元過ぎればになっていたが、久しぶりに通訳まがいをやって、もう一度出直したい気分。そんな訳で、せっかくの会席だったが何を食べたかほとんど記憶にない・・・。

_ [] 割烹天ぷら「金泉」

創業明治40年。台東区花川戸2−16−1  03-3841-6380/9261

会席料理を食べたが、次回は名物の天丼も試してみたい。ちなみにこの前たべた会席の献立、紙を持って帰ったので写しておこう。

先付(梅花長芋 胡麻だれ、鮭子、干社唐、煎り玉子)、前菜(バイ貝、芹からすみ和え、合鴨ロース、二色玉子、菜の花辛子漬け、小梅羊羹)、御椀(若鳥唐蒸し、口(これなんだろう?)、柚子、梅形大根、にんじん、湿地茸、芽葱)、造り(盛り合わせ)、煮物(鰆巻繊湯葉巻、緑あん、かにあん、新竹の子、梅麩、木の芽)、焼物(帆立貝玉素焼、玉葱、舞茸、ミニアスパラ、飛子)、揚物(天婦羅、旨出汁)、食事(ご飯、赤出し、香の物)、デザート(蜜柑ムース、タピオカ、セルフィーユ)