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stasiの日々


2005-10-30-Sunday [長年日記]

_ [研究][仕事]初の司会進行

今日は3年前から始めたKB研究会で、今年は私が主催を務めた。日曜で学生は大学教室を借りられないこともあって、会場は夫の大学を使わせてもらった。家から持参する重い荷物から会場設営まで、ずいぶんと手伝ってもらった。

午前中は民芸館の展示を見て、午後から研究会。生まれて初めての司会進行。じっくり考えれば分かることでも、その場でぱっと理解して交通整理した上で言語化し、かつそれを音声にして発する回路は極めて遅い(研究会に限らず日常のおしゃべりでも)私には、かなりヒヤヒヤであった。実際、いくつかまとめての発表に対する反応はできても、全体のまとめと今後の展望の話題となると、ゴメンナサイ、えっとえっとどうすりゃいいんだ?!と頭が真っ白になってしまって、結局方向性はKMさんに委ねてしまった。慣れればできるようになるものか?同じ場でも司会でなく、一参加者だったらもう少し冷静に考えることできたかもという気はする。とはいえ頭悪いなら訓練して鍛えるしかない。キーポイントは交通整理か。今後の課題としたい。

_ [研究][仕事]KB研究会

この研究会は、KMさんを筆頭に日本では超マイナーな私の専攻分野を専門とする若手研究者が会員で、3年前に私が某研究会で発表した際、何人か聞きに来てくれたので、折角集まったのだから研究会を開いて共通の認識を築いていきましょうと始まったもの。研究会自体は3年前からだが、マイナー同士、情報を交換して手をつなぎましょうというKMさんの提唱により、だいぶ前(8年位か)からメーリングリストを通じて連絡を取り合ってきた。当初からの会員に出会った頃はソウル留学組が多かったが現在は大学教員、美術館職員、現場で活躍する人もいれば研究お休み中の人もいて、皆それぞれの人生を歩んでいる。たまたま全員女性で、しかもこんなマイナーな専攻とあって、たとえ研究から離れた道を歩んでいても、それを温かく理解できる空気があり私にとっては居心地の良い空間である。

会員は古代から現代まで、地域という点だけは韓国で共通しているが皆、専門は異なる。それぞれ専門の話を聞くと、時代は違うのに共通する特色もあれば、同じ地域なのにこんなにも異なるのかという現象もあったりして、かなり面白い。それぞれ事情は違っても、日本人として感じる点で共通するところがあり、年に一度の研究会でも得られるものは大きい。

でも何よりこの研究会の意義は、日本でマイナー分野専攻という点で常日頃孤独と戦いながら感じる様々な要素を、ジャンル問わず共感できるところにあるんじゃないかと思う。それは今自分の進めている研究の方向性が正しいのかどうか、ということも含めて。私は初回研究会に参加した時の衝撃がかなり大きくて、それを契機にようやく少しずつ自分の道が開けてきた気がしている。だから今年から参加した若い学生の方々も、この研究会を支えにそれぞれの分野で自信を持って活躍してくれたらいいなと思う。

研究会も3回続いて、全時代全分野を通じて言えることが少し明確になってきたけれどまだまだだ。前進あるのみ。