2005-06-11-Saturday [長年日記]
_ [日常]スタバで知らないお爺さんと会話する
スタバで仕事してたら、一つあけて隣にヨロヨロしたお爺さんが来た。さっき入り口付近でもじもじしてたお爺さんかも。きっと店員さんが優しく話しかけてくれたのだろう。店員さんはお爺さんにコーヒーを運んできたが、お爺さんはコーヒーが飲めずにいた。どうもミルクと砂糖が必要らしい。店員さんに頼もうとするが、接客で忙しくてなかなか気付いてもらえない。お客さんは列を成してて減りそうにないし、こちらも気になって仕事が手につかないので、お爺さんに話しかけてみた。「ミルクとお砂糖取ってきましょうか?」
お爺さんは耳が遠くて5回くらい耳元で大きな声で叫んで、ようやく聞き取った。「砂糖が欲しい。」とりあえず砂糖2つとミルク1つにスプーンを取ってきて渡し、自分の席(お爺さんの隣)に戻った。お爺さんは一瞬びっくりし、「ここの店員さん?あ、違うの?あーれーこりゃーご親切にありがとう。(でもなぜあなたが?びっくりじゃ。)」と大声で挨拶した。
その後なんとなく視線を感じつつも、とりあえず仕事に戻った。しばらくしてお爺さんはコーヒーを飲み終わり、帰ろうとしながら、スタバ全体に聞こえるほどの大声で、ゆっくりとしゃべり始めた。「T大の学生さん?T大?T大?あ、ちがうの、じゃW?K?そりゃご入学おめでとう。大いに勉強して下さい。せがれはWですよ。私はH3丁目で近所ですよ。隣はD銀行だからお金がいっぱいあるところ。今日ねえ、映画の招待券あげたいんだけど、今日持ってなくてあげられない。わたしゃSCの株主だから券ほんとは持ってるんだけど、今日は持ってない。でも近所で毎日ここ通るから今度また!大いに勉強して、聡明な人になってください!」とりあえず会釈して別れた。店内の皆が一斉に注目している。そんな珍しい光景かいな。
ところが、お爺さんはコーヒーカップを置きに行ってから、戻ってきて名残惜しそうに再び話しかけてきた。「T大の学生さん?T大?ちがうの、W?K?M?私はH3丁目に住んでるんですよ。隣は銀行でお金がわんさかあるところ。SCの株主だから映画の券あるんだけど、今日持ってないからあげられない。私はH3丁目で近所ですよ(以下省略)」と同じ話をひとしきりした後、こちらも途方に暮れて「気をつけて」とか「さようなら」とか何とか反応した。これが韓国の若者だったら出口までちゃんとお見送りするんだろうなぁ。それでお爺さんは去って行った。こちらの仕事モードもどっかに去ってしまった。