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stasiの日々


2005-06-23-Thursday [長年日記]

_ [日常]すっかり時差ぼけ

ルイ・ミについてNおから、大きな企画案が送られてきた!そりゃすごい。

午後、T研究所でバイト。Nお企画ビッグイベントについて考えてみる。(バイトしてないじゃん)

夜、事務関係で仕事を片付ける。ようやくルイ・ミの感想を書き始める。講義前後は講義で頭がいっぱいでブログどころではないからね。

_ [趣味]サン・カルロ歌劇場「ルイーザ・ミラー」2005.6.18.オーチャードホール感想

あまり外食した事もなかった頃、初めてバットン氏のフレンチを食べた時の感動は今でも忘れられない。何かが抜群に美味しかったとか盛付けがきれいとかいう範疇ではなかった。誰もがよく知るありふれた素材に新たな魅力が見出され、それが最大限に引き出された料理。料理人の、コロンブスの卵のような斬新な発想と技術に感動した。

先日の公演はその時の感動に連なる。次々と溢れ出てくる素晴らしい演奏を、一つでも多く受け止めようと身を乗り出して聞いた。まず序曲が始まってすぐに、もう驚いてしまった。「ルイーザ・ミラー」は高校の時に上演したオペラで、隅々まで知り尽くしているつもりだったが、ゴメンナサイ私が傲慢で間違ってましたって感じ。この曲にはこんな料理方法でそんな味付けもできてしまう、素晴らしい魅力が眠ってたんだ・・・。音の一つ一つにそんな感動を覚えた上、推理小説で謎を次々と解いていくみたいに次の展開は気になるし、目の前に出てきたお料理は絶品だしで、最初から最後の最後までドキドキわくわくしっぱなしだった。曲の魅力に気付いても、それを引き出す技術も伴わないと相手には伝わらない。その点で今回は全般的に素晴らしい組み合わせだったけど、特に指揮者とオーケストラには大きな大きな拍手を送りたい。指揮者の絶妙な揺れとオケの豊かな表現力には心を打たれた。あと合唱の迫力と美しさに驚いたのと、フリットリのルイーザ役がとてもよくて、安定した美しい声に惚れ惚れした。ミラーもヴァルテル伯爵も文句なしで良かったなあ!

ただ会場では最も人気があったと思われる(ブラボーブラビーの叫び声が一番大きかった)サバティーニのロドルフォ役は、どうなんだろう。3幕はちゃんと演技もしてたし勢いもあって良かったけど、1・2幕は3幕に向けて温存してたのかもと私は思っている。1幕は特にルイーザを一途に想うロドルフォではなくて、あの子もこの子も可愛いな♪えっへっへと歌うテノール浮気者の役がぴったりで、軽く幻滅。ロドルフォにだけは感情移入が全くできないんだもの。適当にやってる感じのする演技も原因だろうけど、高くて軽やかにのびる美しい声(もっとも私の席ではしばしば腑抜けて聞こえたが)がそう思わせたのなら、キャスティングの問題でもあるよね。10番の有名なアリアは大絶賛浴びてたけど、やたら「泣き」(?専門用語は分からない)が入ってたのと、声の軽さがロドルフォ役としていまいちそぐわなくて、あまり納得できなかったなあ。これがアリアのコンサートだったら良かったのかもしれない。

5番ロドルフォとフェデリカの二重唱で最後、フェデリカさんは落ちてしまって途中からロドルフォと同じ旋律を歌ってたけど、プロの人でもそんなことがあるのね。

一つ気になってるのは、ロドルフォのアリア(10番有名なアリアの次のアリア「♪こーんれいと、はーかばがーとーもに♪」)で2回同じフレーズが出て来るんだけど、2回とも聞いたことないメロディで歌っていた。あれはサバティーニがテノールとしてサービスして高い音を歌ったものなのか、ああいう楽譜があるのだろうか?

他にも書きたいことがあるけど、今日はこれでおしまい。