2007-04-02-Monday [長年日記]
_ [日常]
15時過ぎまで昼寝したり家でごろごろしていたが、夕方からリニューアルオープンしたばかりのＳ美術館へ行ってきた。ミッドタウン内にあるから人で溢れかえっているだろうと覚悟してたが、適当な混み具合で心地よく展示を見ることができた。数々の華やかな作品を目にしたら、幸や福をお裾分けしてもらった気がした。作品の持つ力ってすごいな。
同じフロアには和食器や雑貨、インテリア用品を扱う店が集中していて、ウィンドウショッピングを楽しんだ。引越したことで、こんなものがあったらいいなという物が頭の中に色々とあるので余計に楽しかったが、買うには至らず。でもどういうものが欲しいのか、より明確になった気がする。
帰り、Dean&Delucaで塩水漬けの青オリーブを購入した。これなら夫も気に入るかと思ったがイマイチだったようで残念。マリネにしよう。帰宅したら20時を過ぎていたので、結構歩きまわったみたいだ。
2007-04-03-Tuesday [長年日記]
_ [日常]
どうしても産前に済ませておきたい、かつどこかに出かけて単純に○×すれば良いといった事項は昨日で大体クリアしてしまった。こんな時こそ積読の書物を手に取るとか、紙資料の大スキャン企画の続きを行うとかすれば良いのだろうけど、いまは集中力皆無で活字が読めないし、何より昼間は極力外出して少しでも足を動かしていたいので（太ってきたので気持ちが悪いのだ）、どちらも気が進まない。ホントうまくいかないものだ。
今日は春日通りを歩いて、竹早の前に昔からある藤森パンでホクオウパンとトライアングルを買ったあと、播磨坂の桜並木を下り、日用品を買物して帰宅。寒かったので１時間程しか歩けなかった。しばらく寒そうだから、たくさん歩けて休みたい時に休める場所といえば、ビル内をひたすらウィンドウショッピングするか展覧会巡りしかないか。こんな時期になっても、常に何かしてないと気が済まないなんて、まぁ体調が良い証拠で良いけど、改めて貧乏性だなと思う。
夜、少しでも書棚を空けようと学会誌の切取り作業を始めたが、結局書棚数センチ分しか新たな空間はできず。
2007-04-05-Thursday [長年日記]
_ [日常]平和な一日
午前中、今日はどこを散歩しようかとネットで色々と情報を集めていたのだが、気付けば先日10年ぶり位に買ったお菓子の太子堂の芋けんぴを一人で半分以上も食べてしまっていた。芋けんぴのカロリーを調べてみたら・・・あぁオソロシヤ。先週は同じく太子堂のジャムサンドを食べ過ぎて後悔したばかりなのに。反省。
赤ちゃん服はじめテーブルクロスなどにアイロンかけた後、午後から水天宮にあるマタニティショップへ出かけた。マタニティ服を着る日はもう僅かとはいえ、春になって着る服が無くなってしまったのだ。お腹を隠せて産後も着られそうなものを２着だけ購入。
地下鉄を２駅前で降りて自宅に向って適当にジグザグに歩いている途中、韓国書を扱ってる店を見つけた。外から見るとちょっと胡散臭くて警戒したが中は普通で、しかも本の全体量は少ない割に文化関係の書籍が結構多く、久しぶりに知的好奇心が刺激された。幸か不幸か買うほど必要な書物は無かったが、書棚に並んだ本の中から興味をひきつけられた背表紙を見て、すぐに手にとってパラパラと中身を見られる幸福感＆高揚感といったら！何でも出来そうな気持ちになって、いま思い出すだけでも心強くなってくる。家の近くにこんな場所があったとは、今までチャリでしか通ってなかったので気付かなかった。そうそう新しい本は並ばないだろうけど、今後自分を奮い立たせたい時、この書店は一つの薬になってくれる気がする。
夕食は、今まで時間に追われていた時はちと面倒で敬遠していたものにしようと、ロールキャベツを作ってみた。肉の割合が多すぎたので次回はもう少し小さめに作ろう。
2007-04-06-Friday [長年日記]
_ [日常]本格的に散歩
昨日は午前中に芋けんぴを食べ過ぎて後悔したので、今日は何かを食べ始める前に外出してしまおうと決めた。どうしても産前に水墨画を見ておきたいと思い、今日は白金にあるＭ美術館を訪れた。移転以降初めて。陽光が明るくゆったりした空間で、展示室ごとにジャンルががらっと変わり古今東西の作品が楽しめた。
中国工芸の展示を見始めたら段々と息苦しくなってきて、深呼吸しながら頑張った。実は先日Ｔ博常設展を見た時も同じ症状があり（「受胎告知」では大丈夫だった）、展示室ごとにゼーハーしながら見たのだった。Ｔ博では空気が悪いからと思っていたが、今日も同じ症状になったことで、これは脳みその働きと関係あると確信した。
その後ショコラティエ・エリカでオレンジピール入りのチョコを買い、ぶらぶらしながら目黒通りへ戻る。ドーナッツプラントで２種類のドーナツを食べた後、目黒駅の反対側へ移動。Ｍ区美でチェコの絵本の世界にどっぷり浸かった後、目黒通りをどんどん上り、点在するインテリアショップに立ち寄る。揚饅頭の御門屋を通り過ぎた辺りで夫から電話があり、早足で目黒駅まで戻ったのだが30分近くかかり、今日一日でずいぶん歩き回ったことに気付く。こんなに歩いて大丈夫かと自分でも心配になるけど、いたって元気。嵐の前の静けさのようで、ちょっとこわかったりもするけど。
2007-04-10-Tuesday [長年日記]
_ [日常]
午前中から出かけようと思っていたが頭と体は連動しなくて、結局午後からのんびり外出。お天気はぽかぽかで気持ちが良い。まずはＯ館で展示を結構長い時間楽しんだ。地味だけど充実した内容。こういう穴場の視点で作品収集することこそキュレーターの腕の見せ所だし、いかようにも展示方法に活かせるものだと考えさせられた。その後、結婚式を挙げたホテルや、夫と付き合う契機となったデートの場所の近くをのんびりお散歩しながら地下鉄駅へ向う。
ドトールのスイートポテトとカフェオレで一休みしてから、今度は文化村でモディリアーニの展示を見てきた。もう少し油画作品があればなお良かったが、制作年代順に並べた訳でもない作品群から、画家と妻ジャンヌの人間像や生涯が捉えられるように展示されていて、分かりやすい構成で面白かった。人物画はあまり好みでないと思っていたが、モディリアーニだけは例外だったようで、いつまでも眺めていたかった。こういう作品と出会うことはめったにないので今日は収穫があった。
夜、夫からミニブーケをもらった。生花だからこその可愛さがある。部屋が明るく春らしくなった。
2007-04-12-Thursday [長年日記]
_ [日常]一人食べ歩き
11時に家を出て、Ｔ大２箇所のバイト先で所用を済ませてからお昼を食べに根津界隈へ。方向音痴の私には珍しくすぐにお目当ての蕎麦屋「鷹匠」が見つかり、しかもタイミングよく席が空いていて、せいろを注文。店内はクラシックが流れ、不思議なオシャレ感がありゆったりした気持ちになる。座り心地は決して良い訳じゃないが、ずっと本でも読んでいたくなる空間だった。蕎麦もたしかにおいしかった。
美味しい蕎麦に満足した後、鯛焼きを探して歩いてみたが見つからず、気付けば千駄木に着いていた。根津に引き返す途中、和菓子屋「つる瀬」千駄木店で豆大福と何とか団子を購入。
根津神社ではつつじまつりをやっていた。結婚して間もない頃、一度見に行ったっけ。平日だからか人影はちらほらだったが、つつじは半分ほど咲いていてきれいだった。その後もあちこち路地に入って散歩してたら、あっという間に１時間経過。
するともう一軒気になっていた蕎麦屋「よし房 凛」を見つけてしまい、迷ったが入ってみた。ジャズが流れていたり、ガラス窓越しに今日の蕎麦の生産地が書いてあったりして、店の趣向は面白い。鴨せいろがボリュームあるものとも知らず贅沢に注文。それが一見味は濃そうだが品の良い美味しい出汁で、お腹いっぱいと思いつつもぺろりと平らげてしまった。蕎麦湯が濃厚で驚いた。風邪の時は体が温まりそう。
外に出ると暑いし、さすがに口の中をさっぱりさせたいと思いながら歩いていると、「芋甚」で最中アイス110円というメニューが目に飛び込んできて、歩きながら小倉を食べる。
さてお腹もいっぱいだし目的地のお山に行こうと、言問通りをのぼっている内にどうしてもコーヒーが飲みたくなってきた。そこで谷中の「カヤバコーヒー」を目指したが、しばらく休業すると書いてあってがっかり。
そのまま上野桜木2丁目まで足をのばして「パティシェイナムラショウゾウ」に入り、折角なので上野の山のモンブランなど生ケーキを購入。Ｂ研究所バイト時は、誕生日祝いにここのケーキを買いに行ったり、誰かのお土産で食べる機会があったので懐かしい。相変わらずひっきりなしにお客さんが入ってくるが、並ばずに済んだだけ良かった。
その後、国際子ども図書館、黒田記念館を見学したらもう16時。こども図書館はお庭でのんびりできそうで、絵本を本と認識できる頃になったら今度は親子で訪れたい。生ケーキを買ってしまい持ち歩きは２時間しか持たないと言われたのでお目当ての展覧会は見ず、今日は引き返すことにした。何より足が疲れてきたし。
帰りに「三花」でいなり寿司を買おうと思ったが、なんとここもシャッターを閉めていてがっかり。やなか珈琲でようやくコーヒーにありついて一休み。
本郷に戻ってきたところで、たまたま研究会から出てきた夫と合流。生ケーキを冷蔵庫に入れなきゃいけないので17時過ぎにようやく帰宅。今日は実によく歩いた。休憩しながらつる瀬の豆大福をほうばる。これは甘いもの苦手な人でもいけるのでは？ものすごく美味しい！
2007-04-14-Saturday [長年日記]
_ [日常]ホンモノって？
昨日は夜寝る前も下腹部が痛みちょろっと身構えたが、朝起きたら何ともなくなっていた。今日が予定日なので覚悟はしつつも、昨日行きそびれた展示を見に根津経由でお山へ。
まずはＧ大美術館で所蔵名品展を見る。何年か前もここの展覧会で唸ったが、今日は再びホンモノというかオリジナル（古い作品に限定した原物）について考えさせられた。これまで基本的にオリジナルにこそ宿る力があって、現代人がいくら形の上で真似してみたところでオリジナルの力までは写せず、日頃から鍛えてる目で見ればすぐに分かるものだと教えられてきたし、そう信じてきた。展示では、経年変化による退色や傷み具合まで巧みに再現された紙に鎌倉期の原物を模写した絵が、オリジナルの隣に並んでいた。私はその模写の対象である作品について全くの門外漢であるからと信じたいが、もし模写だけを提示されたら、果してそれは現代の模写であるとすぐに判別できるか自信がなかった。これから更に形を写す技術が発展していく中、何を根拠にオリジナルと判断するのか。オリジナルにだけ宿る力なんて本当にあるのか。大きな課題。
_ [日常]
Ｇ大を見たあとＴ博常設展へ。数日前に展示替えした常設のＴ博Ｔ館前には長蛇の列が出来ていて、秋の名品展ですらこんな人だかりは見たことないのに、突然日本人は東洋の古いものに目覚めたのか？？と驚いていたら、受胎告知展に並んでいる列だった。今日はたまたま本館裏の庭園も開放していて、久しぶりに土を踏んだ。足の裏が心地よい。
上野公園の桜並木は先月末とは大違いで青々としていた。御徒町に出てリニューアルした松坂屋をのぞいた後、小腹が空いていたので湯島のみつばちでハニー焼き求肥入りを買って食べながら御茶ノ水へ向う。夫と合流し、秋葉の石丸電気で赤ちゃんがびっくりしないような静かな音楽を探し、神田まで歩く。結局今日は13時から19時頃までほとんど歩きっぱなしで、さすがに足が痛い。
2007-04-17-Tuesday [長年日記]
_ [日常]
昼、母とランチするため四谷で待っていると、中東出身っぽい男性に"Do you speak English?" と話しかけられた。新幹線で名古屋に行きたいがどうすれば良いか分からないという。乗り換える方法を説明した後、一緒に券売機まで行って切符の買い方を教えてあげた。その人は南ア人だった。先週娘が誕生したばかりでノラと名づけたと携帯写真を見せてくれた。別れ際に、あなたもとびっきり可愛いくて元気な赤ちゃんが生まれますようと言われ、安産菌をお裾分けしてもらった気がした。
母とお寿司を食べたあと、たまたま泰祥製菓という店の前を通りかかり、母に中秋月餅（白餡）と��仁コウ、酥餅、ジャムクッキー（ジャムは杏らしい）を買ってもらった。美味しそう！
私は新宿に出てデパート内をぐるぐるまわったが、大して歩いてないのに外で散歩するのと違って、歩いた充実感より疲れた感覚の方が強い。
2007-04-18-Wednesday [長年日記]
_ [日常]
今日は妊婦最後の検診だったのだが、初めて産科にかかった時の先生だった。自分から相談しようと思っていたことだったが、今後数日の計画を聞いてちょっと凹む。帰り、前からずっと気になっていたQINO'Sに入り、贅沢にパストラミサンドイッチ（なんと1200円）をブランチに食べた。見た目は豪快だが食べやすく美味しかった。
昨夜はひどい胸焼けでほとんど眠れなかったので少し昼寝した。午後、錦糸町の赤ちゃん本舗に行ってみようと、しとしと雨の降るなか靖国通りをひたすら進んで両国まで歩いてみた。徐々に暗く寒くなってきたので両国からは電車で。お店にはマタニティから子供用品まで色々置いてあってびっくりした。それにしても雨でも外を歩くのは気持ちが良い。
2007-04-19-Thursday [長年日記]
_ [日常]アロマテラピー
ふと何の兆候も出ないのは、私の体が緊張してるからなのかもと思い、リラックスするために妊婦も大丈夫なアロマのサロンを探してみた。水天宮近くに見つけたので早速予約を取り、家からてくてく歩いて行った。秋葉に出た後、サロントナカイを目印に昭和通りをひたすらまっすぐ進めば良いのだ。今日はお天気なので昨日より遥かに歩きやすい。１時間半で水天宮に着き、お参りをしたあと、予約時間まで人形町界隈をひたすら歩いて色々なお店を見てまわった。
本格的にアロマを体験するのは多分初めて。幾つか挙げてくれた候補の中からクラリセイジというオイルを選んだ。そこいらで売ってるのは人工の合成香料で効能は無いんだと。香りも人工ものは一定で強いけど、植物から抽出した純粋なオイルは香りに揺らぎがあるらしい。緊張してると頭蓋骨が締まり、骨盤と連動していて開きにくくなる、だから妊婦は目と頭を極力使っちゃいけなくて、ぼーっとしてると自然に体がお産の状態になる、といった話を聞いた。そんな話いまさら聞いてもなあ。
たっぷり寛いだ後、帰りに甘酒横丁の鳥忠で焼鳥を、双葉でジャンボがんもをお惣菜に買ってみた。遅い時間になっちゃったので帰りは電車で。
アロマが効いたのか、夜ちょっとお腹が痛くなる。
2007-04-20-Friday [長年日記]
_ [日常]
たまたま茗荷谷に良さげなサロンを見つけ、播磨坂を通って往復徒歩で今日も再びアロマに行ってきた。途中、和菓子屋の一幸庵でわらび餅を買ってみた。今日はローズ・オットーとパチュリーというエッセンシャルオイルに、マカデミアナッツ油とカレンデュラ油。都会暮らししている人は、動物が本来持っている能力が鈍っているために、体が自然界（たとえば満月や新月とか）の影響を受けにくくなっているとのこと。妙に納得！長年の不摂生の結果なのだから、まぁこりゃ仕方ないな。
とても丁寧で居心地の良いサロンだった。帰りに大塚方面へ歩いていこうと思っていたが、アロマでリラックスしたら歩く気力が無くなっちゃったので、パティスリー・マリアージュでシュークリームを買って帰宅。私がこんなにお菓子を買うなんて一生で今だけだろうなあ。
2007-04-22-Sunday [長年日記]
_ [日常]
今週こそ本当に最後の日曜日。のんびり過した。選挙に行ったあと、夫が昔習った美術の先生の作品を見に新国立美へ。入口にはツツジが咲いていて、桜の咲いていた前回から時が経ったのだなあと思う。その後、デザート＆お茶をしに結婚式を挙げたホテルへ行き、お庭の見えるカフェに入った。メニューを見たらお腹が空いていることに気付き、デザートはやめてクラブサンドイッチを注文。バターの風味がよく出ていて美味しかったのでこれにして正解。付け合せのピクルスは酸っぱすぎず甘すぎずちょうど良い味で、以前リゾートホテルのフレンチに出てきた絶妙な味のピクルスを思い出させるものだった。
お庭では結納をしたらしき振袖を着た女性とスーツ姿の男性が散歩をしていて、男性の両親が二人のスナップ写真を撮ったりしていた。カフェには品の良いおばさま方ばかりがお茶していたのだが、そのカップルが写真撮影のためポーズをとると、おばさま方の視線は一斉に窓の外に向った。わざわざ眼鏡をかける方もちらほら。そしてあちこちのテーブルで「あらまぁ結納したのねえ」「どれどれどんなカップルかしら」「女性の方が年上だわよ」「お婿さんの方が絶対に年下よ、おほほほほ」といった会話を交わされ、思わず笑ってしまった。韓国だったらいかにもありそうだけど、日本のお上品なおばさま方も変わらないんだねえ。